<社説>安倍改造内閣 「失望」の二文字しかない

 新鮮味が薄いだけでなく、沖縄にとっては不安な布陣としか言いようがない。第3次安倍改造内閣の顔ぶれのことだ。

 政権運営の継続性を重視する首相の立場から、主要閣僚がほぼ留任した。中でも沖縄基地負担軽減担当を兼任する菅義偉官房長官、岸田文雄外相、中谷元・防衛相の留任には「失望」の二文字しか浮かばない。
 いずれも辺野古新基地建設を強引に推し進める人物ばかりだ。新内閣でも沖縄の民意と向き合うつもりはないと宣言したに等しい。
 沖縄担当相に島尻安伊子氏を起用したことも同様だ。
 県関係・選出議員では1991年の伊江朝雄氏、93年の上原康助氏、2012年の下地幹郎氏に次いで4人目となる。女性では初めての大臣就任となる。
 沖縄から中央に直接通じるパイプができたことは喜ばしい。ただ島尻氏の過去の発言を見ると、懸念も禁じ得ない。
 島尻氏は2010年参院選で普天間飛行場の「県外移設」を公約に掲げながら、13年には公約を翻して辺野古移設容認を表明した。
 辺野古移設阻止を掲げる稲嶺進名護市長に対して「権限の乱用」と中傷し、辺野古での市民の反対運動を弾圧するかのように政府に対策を促したこともある。
 基地問題だけでなく、国内外をターゲットにした経済・観光振興など沖縄には課題が山積している。
 沖縄にとって時代の転換点ともいえる重要な時期だけに、島尻氏は国の代弁者としてでなく、地元の視線で働いてもらいたい。
 沖縄は非正規雇用や待機児童の多さなど生活に密着した課題もある。かつて選挙戦で「台所から政治を変える」と宣言した島尻氏は、真に生活者の視点に立って課題解決に取り組んでもらいたい。
 一方で屋上屋を架すような人事も首をかしげる。
 首相肝いりの「1億総活躍」担当相は地方創生や経済再生など他の大臣と所管が重複する可能性もある。看板倒れにならないか見極めたい。
 「1億総活躍」にも通じるが、首相から「女性登用」など聞き心地のよい言葉を連ねる例が目立つ。内閣改造には安保関連法やTPPといった批判や疑問が多い政策から、国民の目をそらす政権の意図が見え隠れする。国民本位と言うならば、まずは国民、沖縄県民と向き合う姿勢を首相は示すべきだ。



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