<南風>新しいステージ


社会
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 私は20年前に友人と設立した会社を今年の3月に卒業した。2年前に決断し、事業承継をすることにした。そして今年3月までの間、お客さんや社員、自分自身のこと、どうすることがこれからの会社にとって一番良いのかなど、いろいろと考えた。

 最初の10年は副代表として、つまり会社のナンバー2として運営側の中心にいた。社員さんと経営者のパイプ役として現場で動いた。職員の悩みや相談に乗り、経営者の思いを通訳するナンバー2のポジションは私には最適だった。そして経営者になってからの10年、一番の違いはナンバー2とトップとの責任の重さに雲泥の差があるということだ。

 その責任に押しつぶされないように経営者として必死に学び、実践を繰り返した。正直に言うと責任というよりは不安と恐怖に押しつぶされそうだった。

 この間、経営者として多くのことに向き合ってきた時間が私を大きく成長させてくれた。10年前と今の私は違う私だ。

 これは自分自身が決めたことに責任と覚悟を持って行動したことと、周囲のたくさんの人に支えられたからだ。

 同じ経営者、家族、友人、社員さん、先輩、後輩、その人たちに支えられて今の私の成長がある。全てに感謝している。

 新しいステージが目の前に現れた時、そこに登るか、眺めるか、離れるかは個人の自由だ。でもそのステージがキラキラしていたら私は勇気を出して登る選択をしたい。それは自分のためでもあるけど、きっと誰かの笑顔をつくることができると信じて。

 今、私は新しいステージに立っている。さあ、これからどう輝くかは自分次第。どうせなら、私も周囲の人も楽しんで、感動をつくり幸せになることをしよう。もうすぐ幕が上る…。
(友寄利津子、NPO法人ライフサポートてだこ代表)