<南風>食いしん坊の食療法


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 私は食いしん坊であるがゆえに7号食を定期的に行っている。7号食とはマクロビオティックの創始者である桜沢如一氏によって確立された食養法で、玄米ご飯だけを食べて遺伝的な病気までも根こそぎ治してしまうというものだ。

 その方法は、まず最初の10日間、梅干しとゴマ塩をおかずに玄米ご飯を食べる。その後6日間は玄米ご飯に味噌(みそ)汁の回復食を摂(と)る。たったこれだけで、体調も見た目も激変するから驚きだ。ちょっと太り気味の人なら5キロは痩せ、顔の輪郭もシャープになるばかりか、肌がしっとり艶(つや)やかになるので若返って見える。どんなダイエットよりも効果が高い上に安上がり。しかも副作用なしで体治しができるとあって、今、にわかにブームだ。
 医学的にも玄米の効果は認められており、「メタボリックシンドローム」という言葉の発信元である琉球大学・益崎裕章教授の研究によれば、玄米には肉や揚げ物など高脂肪食への欲求を抑えるガンマオリザノールという成分があり、糖尿病の改善や予防、様々な生活習慣病に効果があることもわかっている。
 沖縄は2010年から65歳未満の死亡率が男女共にワースト、つまり早死1位になってしまった。職場の定期健診で異常があった有所見率もワースト。原因はおかず中心の食事だ。「氣」という字には米が使われていたように、昔の人は米こそが私たちの体を元氣(げんき)にしてくれると知っていた。最近は太るからと米を食べないダイエットが流行(はや)っているが、流行りで食を摂ることほど危険なものはない。
 来月、20年間で1万人の体治しをしてきた冨田哲秀氏を迎え、7号食の講座を開く。病院にも薬にも頼らず、天命を生き抜く術を多くの方に知っていただきたい。問い合わせは(電話)098(943)2100(浮島ガーデン)。
(中曽根直子、風土コーディネーター)