<南風>モノ作りと補助事業


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 オキネシアの事業内容は自社PB(プライベート・ブランド)商品の製造と販売です。小売店であれば、商品を仕入れて販売を行えばすぐにでも売り上げが立ちますが、当社の場合、自ら開発して商材(商品)を手にしない限り「売る物」がありません。このため創業当初からの最優先課題は「商品開発」すなわち「売る物」を創り出すことでした。

 しかし開発には時間もお金もかかります。また自前の商材が揃(そろ)ったとしても、販路開拓や代金回収などでさらなる時間と労力を要します。マンパワーや資金面で不安を抱える当社にとって、先行投資覚悟の継続的な商品開発は、なかなか容易なことではありませんでした。かような状況下で、当社がモノ作り企業としてある程度のパフォーマンスを発揮してこれたのは、地元金融機関のタイムリーな融資・出資のサポートに加え、県内の充実した支援機関の後押しがあればこそと実感しています。
 当社がこれまでに利用した主な支援メニューを挙げると、沖縄県の「中小企業製品開発補助事業」をはじめ、国の「地域資源活用プログラム」「農商工連携事業」、沖縄県産業振興公社の「オキナワ型産業応援ファンド事業」などです。これらの助成資金を活用することで、難易度の高い商品開発のほか、大学との共同研究や海外企業とのコラボに思い切って取り組むことができました。
 これから新規事業を計画されている方には、公的な補助事業の活用を視野に入れて検討されることをお勧めしたいと思います。
 今週金曜日、23日から那覇市奥武山で第39回沖縄の産業まつりが始まります。当社も出展します。離島を含め各市町村の特産品が揃う「ありんくりん市」など、沖縄のモノ作りの「今」を体感できるイベントです。多くの方のご来場をお待ちしています。
(金城幸隆、オキネシア代表取締役社長)