<南風>年末随想


社会
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 あっという間に2022年も最後の月となった。今日はクリスマス・イブだ。多くの日本人にとってクリスマスは宗教行事というより、楽しみなイベントの一つであろう。街路は華やかなイルミネーションに彩られ、ジングルベルが鳴り響き年末商戦も佳境(かきょう)である。

 2月に軍事大国ロシアがウクライナに侵攻した。報道によると、ロシアのプーチン大統領は1週間もあればウクライナを制圧し、支配下におけると考えていたようだ。だがウクライナは米国を始め西側陣営の軍事・経済の援助を受けて応戦。反撃に転じ戦争は今日も続いている。この10カ月で万余の民が殺され、都市のインフラが破壊され、これからの冬に悲惨な状況が懸念されている。どのような政治的理由があれ、戦争は残虐な犯罪である。地獄のような地上戦を経験したわが沖縄県民は一日も早い停戦を祈るのみである。「今年の漢字」が「戦」に決定したのも宜(むべ)なるかな。中国の尖閣諸島侵入や北朝鮮の度重なるミサイル威嚇など、わが国を取り巻く環境も先行き予断を許さない。

 県内に目を向けると、本年は6年ぶりに「世界のウチナーンチュ大会」が開かれた。首里城再建の起工式が行われ26年完成に向け本格的工事が始まった。

 本紙コラム「南風」で7月9日付の「英語塾事始め」を皮切りに今回の「年末随想」まで13回、私の拙いエッセーを掲載くださった琉球新報社に感謝するとともに、毎回、電話やメール、はがき、手紙などで感想を寄せてくださった県内外の読者の皆さまに、この場をお借りして心より御礼申し上げます。南風にちなんで6月12日放送NHK俳句入選の拙句を紹介します。「白南風や牛車で渡る珊瑚海」

May the year

2023 bring you good health and happiness ! 皆さまよいお年を!

(澤田清、澤田英語学院会長 国連英検特A級)