<南風>拝啓、保育士の皆さまへ


社会
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 「子どもが好き。大好きなんです」と保育士になることを夢見た、当時中学2年生の僕。保育士になった今、「夢はかなったぞ」「保育園だけが、保育士の働く場所じゃないよ」と当時の僕や日本中で働く保育士の先生たちに伝えたいな。

 と言うのも児童福祉法第十八条の四では保育士の定義を「保育士とは、第十八条の十八第一項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう」とあるよ。

 ここで注目すべきは「保育士」=「保育園(だけ)で働く」ではないってこと。特定場所で働くとは記載されていないんだよね。保育士の知識や技術は、働く場所を問わず、子どもとその保護者に向けた仕事にできるということかもね。

 「じゃ、どこで働くの?」なんて声が聞こえてきそうだね。あくまで保育園・幼稚園・こども園で勤務することを否定しているわけではなくてさ。保育士自身の知識や技術を発揮する場について考えるために、まずは日々磨かれているご自身のスキルに目を向けて、言語化してみない?

 例えば、お便り帳なんて、1日の出来事を約50~200字に約10分で文字起こしできる「ライティング力」、子ども、保護者、職員の表情や声色、雰囲気から体調不良や体の異常・変化に気付く「観察力」、成長過程に合わせ約年間30種の製作物を作る「アイデア力」に言い換えられるよね。

 保育士の定義、働く場所、自身のスキルを見つめ直すと、自身を発揮できる「環境」にたどり着くんじゃないかな? これって、保育士の可能性を広げる第一歩になると思っててさ。保育士の皆さま。子どもは好きですか? じゃ、保育士として何ができるか、一緒にもう一度考えてみませんか?

敬具

(玉城伸悟、tetote代表 主任保育士)