<南風>ママとパパへ


社会
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 ベビーシッターをご利用したことはありますか? 僕は普段、保育士として勤務している一方で、土日祝日はベビーシッターとしてママさんパパさんの子育てのサポートをしています。

 子育てのサポートとくくるには、いささか説明が必要かもしれません。それは、ママ・パパがベビーシッターを利用する目的が単に「子どもを預けること」だけではないからです。

 まずベビーシッターって何なのか? それは厚生労働省管轄で認可外の「居宅訪問型保育事業」という枠組みなんですね。実は、子どもの保育園選びの際によく耳にする「認可」「認可外」でいう所の、「認可外」に当たるんですよ。

 全国で6687の施設数(令和3年3月、厚生労働省認可外保育施設の現況取りまとめ)があり、沖縄県内では約50カ所以上あるんですね。

 そんな保育園ではない、個人や事業所として届け出しているベビーシッターに預けるママ・パパが年々増えていることをご存じでしょうか?

 預ける主な理由としては「2時間だけ、自宅で集中して仕事をしたくて」「6年ぶりに夫婦で映画を見たり食事に出かけたりしたいので」「一緒に買い物に行ってほしい」などさまざま。(良いんですよ、本当は理由なんてなくても良いんですよ。)

 そこで感じるのは、実はママ・パパは心が落ち着ける「時間」や子育ての不安や悩みを話す「人」を求めているのかもしれないなと。それは子育てのサポートの前に、「保護者の支援」なのかもしれないね。

 どうしても子育てが「孤育て」になりがちな社会と風潮と環境の中、時にはママ・パパはご自身の心が安心する瞬間を優先してもいいと思う。だって子どものお迎えの時のママとパパのあの笑顔があるから子どもが笑顔になれるんだから。

(玉城伸悟、tetote代表 主任保育士)