<南風>台湾のオリオンブーム


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 「オリオンビアフェストin台北」の取材で、7、8日と台湾に行ってきました。4年ぶりの台湾です。実は今、台湾では若い人を中心に、オリオンビールが人気なのです。2014年に台湾のファミリーマートでオリオンビールの販売をスタートさせたことがきっかけで、認知度、販売量共に急激にアップしたとか。

 実際台湾のファミリーマートに行くと、地元のビールと並んで、オリオンビールが販売されています。4年前にはなかった光景です。人気の秘密は、「サッパリとして飲みやすいのに、濃すぎず味わい深い」から。特に生ビールの人気が高いそうです。最近ではオリオンビールののぼりを居酒屋の店先に出すと、売り上げが伸びるほどだとか。また台湾では、日本、特に沖縄に対してシンパシーを感じている人が多く、それもオリオンビールが受け入れられている要因のひとつなのだそうです。
 取材でビックリしたことは、台湾には、何かつまみながら屋外でお酒を飲むという文化がないらしいこと。ビアフェストの会場に足を運んだ地元の人は、「こういうイベントそのものが新鮮だ」と話していました。また、「ライブを見ながらお酒を飲むというスタイルを初めて経験した」と話すカップルもいました。オリオンが台湾に広めようとしているのは、おいしいビールだけでなく、新しいビールの楽しみ方と、新たなエンターテインメントなのかもしれないと思いました。
 以前、沖縄式の披露宴スタイルが東南アジアで好評だった、という話を取材したことがあります。沖縄と東南アジア。距離も顔つきも近い分、見落としがちなことかもしれませんが、私たちが何気なく日々接している商品や文化に、アジアでのビジネスや交流のヒントになるものがあるのかもしれません。
(大城勝太、エフエム沖縄アナウンサー)