<南風>家族の絆 クリスマス


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 クリスマスが近づくとアメリカでホームステイをしていた頃を思い出します。

 11月の感謝祭が終わるとアメリカの家庭ではクリスマス準備に大わらわです。まず、家の窓や外壁、柵を赤やブルー、金・銀のイルミネーションで飾ります。信仰の厚い家庭の庭では聖書に記されたイエス降臨の様子を再現したレプリカを置くなどしますが、時には受けを狙ってサンタクロース人形が煙突に張り付いてる家もあり、その時期は散歩が楽しかったものです。
 本場だな、と感じたのはクリスマスツリーです。場所がシアトルと寒い地域だったこともあり、私がそれまでずっと見慣れた「プラスチックのモミの木」ではなく、準備するのは生の「もみの木」です。形状を家族でああだ、こうだと議論しながら好みの木をホームセンターで購入し、毎年、少しづつ買いそろえたオーナメントや手作りのジンジャークッキーをぶら下げて、星をトップに飾ると出来上がりです。
 さて、クリスマス時期に登場するグッズの一つで、とてもかわいらしいもの。それは「アドベントカレンダー」と言って、クリスマスまでの日数を数えるために使用されるカレンダーです。イエス・キリストの降誕を待ち望む「アドベント」の期間に、窓を毎日ひとつずつ開けていくものです。私がお世話になった家庭ではお母さんがフェルトで手作りしていました。12月1日から始まり、24個の窓の中に聖書の言葉や、チョコレートなどのお菓子が入っていました。
 子供たちは朝起きると真っすぐにアドベントカレンダーに向かい、1日1個のお菓子をモグモグしながら、クリスマスのその日が来るのを心待ちにしていたのです。24個開け終わると、さあ、クリスマス。
 今年もやってくるクリスマス。家族の絆を感じながら楽しみたいと思います。
(名嘉村裕子、りゅうせきビジネスサービス代表取締役社長)