琉球新報社 コラムの話を貰（もら）った時、最初はお断りしようと思っていました。なぜなら僕は文章が下手で、自己表現が苦手だからです。承諾して大したことのない文章を書いたら、皆からばかにされる。でもそれと同時に、「こんなんじゃいつまで経（た）っても自分が変わらず、成長しないのでは」とも思いました。
いつも僕は、物事から逃げます。自分の恥ずかしい部分は見せず、それでいて知的に見られたい。そのために僕は「行動しない」を選んでいました。年齢を重ねれば重ねる程、その習慣が定着し、気付けばもう３９歳。マズい！取りあえず、今までと、違う行動をとろう。という訳で、今回このお仕事をやらせて頂こうと思います。自分の成長を目指して。
さて、成長とは、自分にない知識を吸収して、増やすことだと思います。しかし、僕はそれができない。なぜか。その原因は、僕の幼少時代にあるように思います。僕の母親は、僕のことをすごく愛し、僕のためだと厳しく教育していました。そこで僕がとった行動は、自分の意見も言わず感情を抑え、母親の話を聞いているふりをし、母親に合わせることでした。物事をきちんと理解もしていないのに。
そういう生活を続けて世の中に出ると、びっくりしたことに、僕は母親にとっていた行動を、他の人にもとるようになっていました。話を聞いているふりを。そういう関係で人と付き合ったら、その人が良い知識を僕にくれても、僕は吸収しません。そして、同じミスを連発します。僕は、その状態に愕然（がくぜん）としました。でも後悔しても仕方がありません。だから僕は、決めました。素直になろうと。僕は、無知の塊です。だから、教えてくださいと。
今の気持ちを素直に出して、素直に知識を受け取る。それが、成長だと思います。
（内間政成、芸人 スリムクラブ）
