<南風>沖縄で円形脱毛


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 「沖縄で仕事をしたら円形脱毛になりました」。県外から赴任した女性管理職の言葉です。
 「なぜ、沖縄で」。疑問に思い、詳しく聞いてみました。「沖縄の人は仕事の進め方がゆったりです。上司から指示されたことに、笑顔で素直、明るい返事は良いのですが、行動が伴わないのです」。思わず「沖縄の人だから、ではないのではないでしょうか」と反論したくなりました。

 彼女の体験です。東京本社から「5日までに提出するように」と連絡が来て、早速沖縄の事務所社員に伝えました。5日の朝には本社から「まだ報告がない」とお叱りが。沖縄の社員に請求すると「まだ5日は終わっていません、そんなに慌てなくても」と言われて絶句。本社の「5日まで」は、沖縄では「5日の24時まで」との認識らしく、「まだ時間がありますよ」ということでした。
 次に飲み会に誘われたときの話。「7時から始めます」と言われ時間通り行くと、誰も来ていません。時間を間違えたのかとしばらく待っていると30分以上も過ぎて三々五々集まり、何事もなかったかのように和やかな時間が過ぎました。しかし閉会の合図がありません。気が付くと周囲はいつの間にか帰ってしまって、一人残されていました。このようなことが度々重なり、東京と沖縄のギャップにストレスが重なっていました。
 話を聴くとお気の毒です。文化の違いがあるとは言え、県外の方にはすぐには理解できないことも多いのです。沖縄側からの言い分はあるとしても、優秀な管理職を円形脱毛にさせてはいけません。
 沖縄のみなさん、沖縄に来て頑張っている方々を悩ませてはいけません。丁寧に説明したり、期日を確認したり、沖縄県民の親切心を発揮して、おもてなししましょう。
(青山喜佐子、オフィスあるふぁ代表)