<南風>娘に「注意」するとき


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 僕は親バカではないと思っていますが、自分の一人娘がとにかく可愛(かわい)い。4歳の娘は、これまでに数々の言葉を覚えてきました。ママから始まり、パパ、マンマ。そして、テビリ(テレビ)、リモコン、週末、まで使えるようになりました。

 先日、寝ていたら、明け方に突然起こされ、「パパ、今月の明細書は」と言われました。え!?一瞬で眠気が吹っ飛びました。なぜそんな言葉を。それは、僕の給料日が月末で、その時期になると嫁さんが使う言葉だったのです。ドキッとしました。僕の給料は、毎月波があり、特にその月は見せたくない額だったので。
 よく子どもは小さい時の教育が大事だと言われます。僕もそう思います。その時の教育が、人格を形成していくので。僕が最近気にするのは、娘に「注意」する時です。注意する時に僕の「エゴ」が入っていないかどうか、ということです。
 こんなにも可愛い娘でもイラッとする時があります。それは、娘が僕の思う通りにならない時です。僕が仕事の前に娘を幼稚園に送るために、急いでいる時です。思わず、「急いで、遅刻するよ、お前のためだよ」と言いそうになります。でも、厳密にいうと僕のためで、僕が遅刻したくないのです。頭ごなしに注意すると、娘は自分を「悪い子」と勘違いするかもしれません。丁寧にゆっくり事情を説明すべきです。
 相手を年下の、経験の浅い知識のない子どもと思うから、一方的に注意するのです。自分の子どもでも所有物ではないし、一個人です。だから僕は、「注意」する時は慎重になり、タメ口で娘と接します。と、正論風に書きましたが、これまでに感情的に「注意」したこともありますし、これからも感情的になることはあると思います。そんな時は「ごめん。感情的だった。でもお前のことをナンバーワン愛してる」と言いたいです。
(内間政成、芸人 スリムクラブ)