<南風>育児と仕事とお金


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 もうすぐ4月。入学、入園の時期である。子育てをしていると時間とお金のバランスに頭を悩ますことが多い。「時は金なり」と言うが、お金を取るか時間を取るか。
 家族の時間を優先したいこともあって今のような働き方を選んでいるが、都心に畑を持ち、小さい娘3人を抱えて野菜で生計を立てることは並大抵のことではない。しかし、子どもが小さい今は仕方がないと腹をくくっている。子どもと接しているとわかるが、お金や物よりも親との時間を欲しているように思う。やせ我慢かもしれないが、子どもにお金で物を与えるよりは、家族で楽しい時間をつくりたい。

 結婚して、共働きの中、子どもが生まれる。そうすると、それまでとは環境が変わってくるから、できることにも限りが出てくる。そうなった時に、柔軟に生活スタイルも変えていかなければならない。これがうまくいかないと、育児と仕事でお母さんにしわ寄せが来る。育児は父親ではダメな場面が多々ある。だからこそ育児と仕事の板挟みでお母さんが疲れてしまっては元も子もない。お母さんが笑えば家族が平和なのだ。
 家族のバランスは、お母さんのバランスであって、お母さんが笑っていると家族みんなが楽しい。逆もまた然(しか)りで、特に家計が火の車だと、疲れた時以上に、お母さんの笑顔が消える。だからこの辺のバランスには注意が必要だ。それでもわが家は、とにかくあと数年は子どもとの時間を大切にしたいと思うのである。
 これはあくまでわが家のやり方で、考え方や方法もさまざまだと思う。しかし、育児をしながら仕事をする大変さや葛藤は皆同じ。わが家も育児と仕事とお金のバランスに必死だ。
 グチャグチャになりながら家庭のために頑張るお父さんとお母さんたちには、敬意と賛辞しかない。
(玉城真 うえのいだ主宰、珊瑚舎スコーレ美術講師)