<南風>「地球団子」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 約15年前、珊瑚舎スコーレの美術講座で前任の先生によって行われた「シードアートプロジェクト」。花言葉ならぬ種言葉をみんなで考え、種を繁華街で配布した。社会と接点が薄い10代半ばの生徒たちにとって、自発的なコミュニケーションのきっかけになった。今回このプロジェクトを焼き直し、新たに「シードアートプロジェクト2016」を行う。

 これまで美術講師をしてきた中で、プロジェクト型のアートを授業で行うのは初めてなので不安の方が強いが、畑や建築、造園とうえのいだの活動での人とのつながりや経験が、このプロジェクトにどういう変化をもたらすか、遠足前夜のようにワクワクしている。
 4月24日(日)に那覇市のにぎわい広場で『アースデイ沖縄2016』が開催される。「I am PEACE〓 あなたも私もアースセイバー! 平和が一番大事!」とテーマを掲げ、それぞれができる小さなピースをつなげて地球全体が平和になるように考えてみようというイベントである。このイベントの中で、うえのいだと許田植木、uzumaki(建築)がチームを組み「地球団子」を作ることになった。
 地球団子とは、地球に見立てた種入り泥団子のことで、これもシードアートプロジェクトのひとつである。先日うえのいだの畑のアトリエでも、地球団子を作るワークショップを行った。土を触り始めると、和気あいあいと子どもも大人も夢中になった。数日たつと地球団子からかわいい芽がにょきっと顔を出す。芽の出方もそれぞれ、自分だけの地球団子。平和の種をまいて、それが芽吹き、地球に平和な風景が広がるようにとみんなで願いを込めた。
 この地球団子のワークショップは、アースデイ沖縄の当日も開催予定なので、平和の種をまいてみたい方はぜひ参加いただきたい。
(玉城真 うえのいだ主宰、珊瑚舎スコーレ美術講師)

※注:〓はハートマーク