<南風>晴れ男、天を味方に


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 「晴れ男、晴れ女は存在する」と、ある気象予報士がテレビで語っていた。そんな私も、いわゆる晴れ男だ。特に写真をやっていると、晴れ男であることで救われることが多々ある。

 具体的には、野外ロケの撮影の場合はどうしても雨は降ってほしくない。そういうときに、晴れるジンクスを持った人間が撮影現場にいると、雨に祟(たた)られることなく、無事に撮影を進行することができたりするから不思議だ。
 つい先日も、天気予報で降水確率が高かったのだが、野外イベントを撮影中は天候がもちこたえてくれて、撮影終了と同時に雨が降ってきたことがあったばかりだ。もしかしたら、自分だけに限らず、この職業に携わる人間には「晴れ男・晴れ女」が多いのかもしれない。
 だが、さすがの晴れ男であっても、梅雨には勝てない。無情にも、梅雨のシーズンだからといって野外撮影がない訳ではないので、週間天気予報の雨マークの連続に絶望しそうになることもある。そういうとき、天を味方につけられるかどうが大きなポイントになってくる。
 どうやって味方につけるのか? テルテル坊主をいくつかぶら下げたり、「あした晴れますように」と神様に祈るのも良いかもしれないのだけど、自分の場合は、願掛けは行わない。神様には感謝はしても、お願いはできるだけしないように心がけている。
 そもそも人間が自然に勝てるはずがない。あるときから「天気になあれ」と祈願することをやめた。運を天にお任せして、潔くすべてを受け入れることにしたのだ。
 すると、撮影日のその時間帯だけは天候に恵まれることが多い。傍(はた)から見るとただの偶然ではないかと思えるかもしれないが、これが私流の「天を味方にする(同調する)方法」だ。
(桑村ヒロシ、写真家)