<南風>沖縄流つながりは大人気


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 「シーミー(清明祭)は済みましたか」沖縄での季節のあいさつです。
 4月から5月にかけて、親戚が集まるお墓参り。わが家は国頭まで、イジュの花やてっぽう百合(ゆり)を見ながら出掛けます。年々それぞれの家族が増えて総勢40人余になっています。

 最近は家族の集まりも少なくなりつつあるといいながら、県外の人からは「みんなが集まるなんて素晴らしい。参加したい」とうらやましがられています。娘の大学時代には、京都から友人が参加して楽しんでいました。全く知らない人でも受け入れOKというシーミーです。
 お墓の前でお線香をあげるまでは高齢者が先頭になり、他の人々を後に従えて采配を振るいます。食事を広げる時間には、子ども、若者が話題の中心。子どもたちは年々成長していくので、毎年主役が交代します。
 シーミーには、他県の人だけでなく、那覇出身で田舎がない人、ヤンバルに出掛けたい人や大学の研究者からも「参加させて」と予約が入っています。
 他県の人がうらやむ沖縄の人のつながりに新聞の「お悔やみ情報」があります。亡くなった人の告別式を新聞広告でお知らせする沖縄の習慣に驚きます。広告には、家族、親せき、友人、職場関係や地域のつながりまで掲載され、その人の生前の人脈が分かります。青森県の知人は「最後のお別れに、こんなに多くの人から送られるのはうらやましい、私も最後は沖縄の新聞広告に、『ご冥福をお祈りします』と載りたい」と言っています。
 ただし沖縄の広告に載るには、条件があります。初めに沖縄に一定期間住んでいること、次に沖縄にいる友人、知人、地域の人たちと親しくして、その輪を広げていることです。
 多くの人がうらやむ「沖縄流つながり」を大切にしたいです。
(青山喜佐子、オフィスあるふぁ代表)