<南風>変化をもたらした嫁の一言

 たまに後輩の若手芸人に「交際している女性と結婚したいんですが、低収入で不安なので決めかねています」と相談されます。僕は毎度、「したいなら、今すぐ」と答えます。無責任なのでも無理矢理なポジティブな言葉でもなく、経験上、本当にそう思うからです。

 僕は交際から結婚まで7年かかりました。低収入で不安だったからです。彼女と結婚の話題になると、「収入が安定するまで待って」と逃げていました。月収5千円なら無理ですよね。月日がたち、ある日彼女が結婚の話題を振ってきました。僕がいつもの逃げを打つと、意外な一言が飛び出したのです。「あなたに収入は求めてません」。僕は率直にラッキーと思い、結婚しました。大概の友人に「お前はプライドがないのか」と言われますが、本心なので仕方ありません。
 結婚すると、おのずと出産の話になります。やはり僕の収入の問題で消極的でしたが、結婚で勢いづいていた僕はどうにかなるという考え方に変化していました。すると意外にも早く子ができ、さぁ大変。全くお金が無く、遠ざかっていたバイトを探しましたが、数十件面接に行っても全て落ちました。自己不信が強まり、苦しくなりました。
 お先真っ暗な状況の中、本業の漫才コンテストで準優勝し、収入を得て人並みの生活ができるようになったのです。不思議です。どんなに苦しい状況でも、環境が自分に合った方向に変化するのかもしれません。「結婚・出産」を選ぶことで僕に変化を与え、環境も変化したと思っています。バイトを落ち続けたのも意味があり、もっと早く結婚しても良かったのかも。変化の時期なんてなく、変化したい時に変化できます。
 僕に変化をもたらした嫁の一言には感謝しています。ただ、嫁も変化して、現在は僕の給料は全て取り上げられ、小遣い制です。
(内間政成、芸人 スリムクラブ)



関連するニュース







  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス



  • 会員制サービス






  • 他のサービス