<南風>東大のスポーツ


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 東大は学生のスポーツも盛んで、大学間の対抗戦は特に盛り上がります。私は学生支援担当として、時々観戦・応援に行っていますが、もともとスポーツが好きなので、これはおいしい仕事です。

 野球部は東京六大学野球連盟に属しており、他の5チームはいずれも多くの甲子園経験者を擁する強豪です。そのため、東大の試合では強豪チームに果敢に挑む東大の選手への声援が大きく、一昔前に沖縄の高校がまだ弱かった頃、球場全体が沖縄の応援になったのを思い出します。
 昨年の春季リーグ戦の途中まで、4年以上にわたり94連敗を喫するという苦しい時期がありましたが、ここのところ好投手を擁して善戦しており、今季はすでに2勝しています。東大の五神総長が始球式をした今季開幕戦では、応援部の新入部員の紹介もあり、その中に沖縄の高校の出身者もいて頼もしく思いました。
 そのうち、沖縄出身の選手も誕生することを期待しています。実は私の一人息子も子供の頃、野球をしていて、当時の東大野球部の平野監督に「東大野球部で待っています」というメッセージを書いてもらったのですが、残念ながら叶(かな)いませんでした。
 東京六大学野球の歴史は長く、昨年末には90周年記念式典がありました。式典では立教OBで、私が子供の頃あこがれた巨人の長嶋茂雄さんが、すぐ隣のテーブルにいました。他にも巨人の新監督の高橋由伸氏(慶応OB)や星野仙一氏(明治OB)、田淵幸一氏(法政OB)など豪華な顔ぶれで、このときは、この式典に招待される役回りで良かったと思いました。
 東大は野球だけでなく、ボートやアメリカン・フットボールなども、長い伝統と実績をもっていて活躍しています。今後、東大の学問だけでなく、スポーツにもぜひご注目ください。
(南風原朝和、東京大学理事・副学長)