<南風>A・ヒッチコック、都知事ヲ叱責ス


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 深夜、アマチュアの霊媒師でもある私の元へ、アルフレッド・ヒッチコックが『裏窓』をたたいた。以下はロンドンの鶏肉商の息子として出生し、『鳥』で世界を驚嘆させたサスペンスの神様との交信録である。

 奇しくも『引き裂かれたカーテン』越しで巨匠と遭遇するとは。『サイコ』を観(み)て以来、崇敬の念を抱いておりました。
 『レベッカ』(おべっか)はいい。早速本題に入ろう。
 日本では舛添都知事が『断崖』絶壁です。公用車での別荘通いや高額海外出張を皮切りに、私的な飲食費や美術品購入への政治資金流用問題など『マーニー』に関する『疑惑の影』は深まる一方です。正月の家族旅行を会議費用として計上した事実も判明しました。
 私の最後の作品『ファミリー・プロット』へのオマージュだろうか
 都への苦情電話は優に1万件を超えています。
 ミスターMasuzoeに対する『ダイヤルMを廻(まわ)せ!』の『フレンジー』状態だな。温泉地通いは年間『三十九夜』に上るらしいが。
 いえ、ほぼ週一の四十九夜です。『汚名』返上とばかりに『私は告白する』との釈明会見も『逃走迷路』へまっしぐらです。
 政治資金を『知りすぎていた男』にしては児戯に類する言い訳(エクスキュース)だ。
 本人は『間違えられた男』を気取っていますが、都は舵(かじ)取りが水没しつつあります。こうした窮状をわが琉球の言葉では「ハーリーの災難」と呼んでいます。
 君の言っていることはよく判(わか)らんが、それは『ハリーの災難』のもじりかね。
 しかし、都知事は、2020年の五輪開会式出席が気になるようで。
 言わぬが花だ。本人が知ったら『めまい』を起こしそうだ。おっと、もう黄泉(よみ)行きの『バルカン超特急』の最終時刻だ。Hey Cab!『北北西に進路を取れ』
(又吉正直、日本獣医師会 学術・教育・研究委員会委員)