<南風>何のために生まれたのか


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 「何のために生まれてきたのだろう」と思う時があります。僕は「使命の中で楽しむため」だと思ってます。使命といっても大げさなことではなく、芝居でいう役ですかね。僕の意思だけでなく、その時々の流れに流されて、芸人に行き着いたと思います。さまざまな職業がありますが、良いバランスで働く人が、その人に合った職業に分散されていると思います。

 絶対にこの職業じゃないと駄目だと意地を張って生きれば、おのずと合わない職業に行き着いてしまうかもしれません。起きた出来事に対して力を入れず、流されて生きていくのが良いと思います。僕は、来た仕事はできる限り受けようと思ってます。無理だと思う仕事でも、意外とギリギリでクリアできるものです。
 「流される」は、自分の気持ちを抑圧した行動ではなく、気持ちを感じながら、満たされながら、周りと融合していく感覚だと思います。その感覚があれば、もっと世の中が信じられ、幸せな瞬間が増えます。
 「使命の中で楽しむ」と書きましたが、楽しめない瞬間も多々あります。でもそれを楽しめる人もいます。聞いた話で、苦しい状況の時は最初十分にその状況を味わい、その後に自分が楽になる言葉を自分にかけてあげるらしいです。苦しんでいたことがばからしくなり、われに返り楽になるらしいです。苦しい状況を振り返ると、それがあったから今があるとつながりも感じられるようです。
 僕は大学受験を2浪しています。2浪目は苦しくて恥ずかしかったです。その時に何と言葉をかけてあげれば良かったんだろう。「入学したら皆より年上の分、大人ぶれる」などですかね。今振り返ると、その出来事は本当に良かったことで、今につながっています。2浪のおかげで相方と出会えました。ちなみに、相方は3浪してます。
(内間政成、芸人 スリムクラブ)