<南風>誰の物でもない知識


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 時がたつのは早いもので、最後のコラムとなります。筆無精の僕がここまでやってこれたとは。信じられません。
 自分でも驚いたのは、コラムの執筆を始めて、自分の中に眠っていた感情や思いがこんなにもあるということでした。表現の仕方でどう受け手に伝わるか勉強になりました。引き受けないと分からないことでした。人間、やってみないと分からないものですね。素晴らしい機会を与えていただき、感謝しています。

 さて、僕のもともとのテーマは「本音で書く」でしたが、それ以外に、僕の経験を通して少しでも皆さんの人生の中で役に立ってもらえたら良いな、と思うようになりました。というのも、僕が「役に立った」経験をして、人生が楽しくなったからです。
 スリムクラブの結成当初からのテーマが「人生を楽しく生きる」でした。しかし、当時の僕は「自己不信」と「人間不信」の塊でそれを実現できません。そんな僕に相方が踏み込んでくれ、いろいろ教えてくれました。とことん話しました。僕のコラムはほとんど相方に教えてもらったものや薦められた本で勉強したものです。感謝しています。
 もらった知識は僕の物ではなく、誰の物でもありません。縁で回ってきた物です。知識だけでなく、それぞれの財産も元を正せば、誰の物でもないと思います。時代をさかのぼれば、誰の物だったのでしょうか。人間を苦しめる一つが執着心です。それを取っ払えば、もっと自由に軽やかに楽しく生きていけると思います。全てが皆の物と考えた方が、世界平和につながると思います。
 皆さん、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。皆さんのご意見、ご感想が刺激になりました。僕の思いを今、誰に伝えたいか。強いて言えば、舛添前都知事ですかね。
(内間政成、芸人 スリムクラブ)