<南風>新聞は見てもいいもの


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 就活中の若者は「新聞は読んでいません。必要な情報はスマホで検索しています」。子育て世代は「毎日、片付けるのが大変」と新聞を購読しない理由を話します。情報量が多いのが新聞の特徴。30ページ余の朝刊は読むというより「見る」方が正しいです。大見出しを見ながら魅(ひ)かれた記事がある場合に読みます。

 専門家の深い視点の評論にうなずき、スポーツ欄のイチローや錦織(にしこり)の活躍などはニュースで結果が分かっていても、新聞解説に期待します。「ご協力」を呼び掛けるボランティアや募金は、新聞に影響を受けた一人一人の善意が億単位の金額まで達する力は大きい。みんな見てるんですね。
 社会人は、新聞チェックが一日の仕事の始まり。国際情勢や政治、取引先、地域の話題等々。「君、新聞を見てないのか」。たまたま新聞を開かずに出掛けて、周囲の話題についていけないときは一歩出遅れた感じです。登場する人々が多いのも新聞の特徴です。オピニオン欄は、小学生から大人まで意見が面白い。小学生のわくわく体験や未来への夢に一緒に心が躍り、高齢者の「チャレンジしてます、やりました」の意見は、エールと同時に「私も」とその気にさせます。
 初対面でも「新聞に出ていた方ですね」と声をかけると「そうです」と笑顔で応えてもらえ、「新聞に」という言葉で警戒なしに受け入れてもらえます。先日も友人を新聞で発見。朝一番「新聞に写真出てたよ。いい顔」とメールすると、「もっと若いと思っている」と。新聞記事の全てが正しいわけではありませんので、自分なりに考えたり意見を交わしたり、現場確認も必要です。刺激的な情報が満載の新聞。「読めない」にこだわらず、「見る」ことから始め、気に入った部分を「読む」ことをお薦めします。
 新聞活用術が上手な人は出世するようです。
(青山喜佐子、オフィスあるふぁ代表)