<南風>胸の中にある「宝石」


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 南風が心地良い。毎年楽しみにしているこの季節。私は夏空が大好きだ。特に7月上旬の夕暮れ時はポストカードで残しておきたいほど。写真を撮るのが苦手な私でも思わずカメラを構えてしまう。

 そんな夕方に放送しているのが担当番組「Island Today!」。約2時間のワイド番組で、ニュースやスポーツ、気象情報を発信している。番組の楽しみの一つはリスナーとのやり取りだ。「今日も暑いね、体調崩さないでね」の気遣いに心和み、日々の出来事をつづる便りからマイクの向こう側に想(おも)いを馳(は)せる。時にはニュースの疑問点も寄せられる。
 専門家ではないけれど、ラジオに耳を傾けてくださる方々の「教えて」の声に応えたくて、よく足を運ぶのは書店や図書館だ。新刊コーナーから雑誌、専門書まで所狭しと並ぶ本のタイトルを目で追いながら、「これだ!」という1冊に出会う瞬間は何度経験しても嬉(うれ)しい。そうした本からの知識と取材で得られた情報を総動員して、なるべく「分かりやすく」をモットーに、スタジオから語り掛けている。
 何よりの励みは、やはり放送を聞いた方からの声だ。そのリスナーから今回のコラム連載についてメッセージを頂いた。「執筆楽しみにしています! 気負わずにね」。分かっていらっしゃる。そう、私はつい力を入れてしまう性分。でも、ガチガチではひらめきも良い考えも制限される。そのことを最近夢中になっているヨガからも学んだ。深呼吸して、リラックス。体の力を抜きながらも伝えたい核の部分は大切に、このコラムをつづっていきたい。
 最後にお気に入りの名言本からぐっときた一文を。「人間は誰もが胸の中に宝石となる石を持っている。一生懸命磨いて、美しく光り輝く玉になる(空海の言葉)」。あなたの宝石が今日もキラキラ輝きますよう。
(金城奈々絵、ラジオ沖縄アナウンサー)