<南風>湯船のすすめ


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 クレモンティーヌが歌うザ・ドリフターズメドレーは秀逸だ。ババンバ・バン・バン・バンのおなじみのメロディー。その歌詞の「バ」と「ン」の間に多めに「ア」が盛られていて色っぽい。同じ女性でもセクシーだなと聞き惚(ほ)れる。上品で洗練された歌声、さすがはクレモンティーヌ。

 名曲をBGMにバスタイムを楽しむ方も多いだろう。私はもともとシャワー派だったが、今は湯船派。転じたきっかけは、尊敬する方からのアドバイスだ。疲れがたまり、仕事が思うように進まない悩みを打ち明けると湯船をすすめてくれた。「こわばっていた体がほぐれて、気持ちがすっきりするよ」。半信半疑だったが、浴槽にお湯を張って身をゆだねると、心にたまっていたモヤモヤも浄化され、体が喜んでいるのが分かった。
 バスタイムはいつしか出勤前や就寝前の楽しみになっていった。何よりわが家の小さなバスタブでも入浴剤を投入すれば温泉気分を味わえる。本場にはかなわないが、ご当地温泉巡りが日々できるのはうれしい。
 最近のお気に入りは県内の離島をモチーフにした入浴剤「お風呂de島めぐり」。バスソルトで宮古島、石垣島、粟国島など島ごとにオレンジ・ブルー・イエローとカラフルな色味。香りも、柑橘(かんきつ)系やハーブ系、フローラルなどバラエティ豊かで心をくすぐる。一包300円ほどするので毎日気軽にとはいかないけれど、仕事がうまくいった日などのご褒美として使っている。旅行気分も味わいながら至福のひと時だ。
 湯気に包まれてストレスから解放されると鼻歌を歌いたくなってくる。今日の反省も明日の活力につながって、風呂上りの一杯でさらにリフレッシュ! あなたも湯船に漬かってみては。思わず「いい湯だな」って口ずさむかも。
(金城奈々絵、ラジオ沖縄アナウンサー)