<南風>SHINKAは「シンカ」と進化する


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 SHINKAはハワイ沖縄連合会50番目のクラブ。設立1年で、メンバーは50人以上に成長した。20~30代の若者が月2回のイベントを通し、チームワークとウチナーンチュアイデンティティーを深めている。

 8月21日、われわれSHINKAのメンバー数人は、ハワイ島のヒロ市で2年に一度行われるハーリー大会に初出場した。沖縄、ハワイ全島から28チームが参加し、レースは3部門に分かれ、SHINKAは沖縄クラブ部門に出場した。初対面のメンバーもおり、漕(こ)ぎ手全員がハーリー初経験だったため、チームとして急成長する必要があった。
 各レースごとに、私たちのエークの息はそろい、チームとして進化しているのを感じた。まさにSHINKAの意味、『シンカ(ウチナーグチの仲間)』と『進化』を具現するように。
 各チーム3レース行い、タイムを競い、上位3チームが決勝へ進出する。前回の優勝チームと常連チームが決勝進出を確定した。残りの1枠に、前回の準優勝チームと同タイムでSHINKAが並んだ。決勝進出をかけ、両キャプテンがジャンケンで決めることになった。私は緊張で震えながら、全神経を右手に集中させた。運も味方し、決勝戦進出を勝ち取った。
 円陣の掛け声が、チームを一気に引き締めた。鐘を打つ手にも力が入る。サバニの先端から見る8本のエークは、今までに増して力強く、見事にそろっていた。SHINKAは本当に進化していた。結果、見事優勝を果たした。
 この出来事は、私たちにチームワークと誇りを与える最高の経験となった。
 30年前、名護市とヒロ市の姉妹都市提携をかなえ、サバニ3艘(そう)とともにハワイにハーリー文化をもたらした先輩方の決意と努力、そして、ハーリー大会を毎回成功に導く多くのチームワークに心から感謝したい。
(比嘉具志堅華絵、ハワイ沖縄連合会会員、『SHINKA』副会長、1級建築士)