大学時代、何を勘違いしたのか、お姫様風の服装で通学していた時期がありました。レースで飾られたブラウスにフリルのスカート。
ご察知の通り、顔面的な問題で全く似合わず、完全に変なのに堂々としていました。どうかしちゃってたんですね。
ダライラマが来沖したときには影響を受けまくって、ベジタリアン宣言をしました。でもしょせんは俗物の私。今ではなかったことになっています。
ある時はバイセクシャル(性別を問わず恋愛対象とする人)に憧れました。
「これこそ人類愛だ」と、さっそく男っぽい格好をしたのですが、無理なものは無理。これまたなかったことになっています。
しかしご安心を。このようにどうかしちゃったことをするのは私だけではありません。
中身は男なのに女の体で生まれた友人は、頑張って女になろうと男子とお付き合いをしました。でも「なれないモノはなれない」
今ではヒゲの生えたオッサン…つまりなるべきモノになっています。
そもそも性別には「身体の性」と、自分が性別をどう認識するかという「自認する性」があるそうです。
身体の性は、性器、性腺(卵巣や精巣など)、染色体などの組み合わせで考えると70種類くらいです。
それを男女の二つだけにしたのは、説明するのが面倒だからでしょう。医学界にも雑な人がいるんですね。
自認する性はもっと細かく、主に男、時々女というのもあります。移ろいやすい儚(はかな)さに日本の美的なものを感じます。
ですから本当は、自分が何者かは、いろいろ試してみなければ分かりません。つまり、フリフリのスカートを試してみてもいいわけです。まだの方はどうぞ。度胸はつきます。
(宜寿次政江、HIV人権ネットワーク沖縄副理事長)