岩手国体にて本県ウエイトリフティング競技は、団体5年連続優勝に挑みました。海邦国体優勝をスタートに昨年度まで通算16回の優勝、4年連続優勝は昨年度で3度目。5連覇を目標に掲げて挑みましたが、兵庫県に3点差で5連覇を逃してしまいました。
私は今大会で第一線からの引退を決めた後輩選手に心を打たれました。2008年北京オリンピック女子48キロ級に出場した大城みさき選手です。南風原高校で巡り合った恩師の比嘉敏彦先生(現名護商工高)と五輪出場に夢を懸けました。県外進学の選択肢もあった中、沖縄で恩師と共にロンドン・リオの両五輪を目指し活動してきた選手です。
それまでの道のりは険しく、まさに努力の師弟です。比嘉先生と共に世界のランキングデータから研究し、通常48キロの体重を60キロに増やし、58キロ級で挑みました。三度にわたる両ひざのけがと手術を克服し、スランプを乗り越えました。
二人の信頼関係はとても深く、専門のシューズはかかとが高いのが主流である中、大城選手の柔軟性に富んだ体には合わないとして、あえてかかとの薄い靴を開発しました。シューズへの賛否の意見もありましが、そのシューズをはいて得意のスナッチ競技で日本記録を樹立し、近年では2015年度の全日本選手権大会でトータル170キロを挙げて優勝し、本年度の全日本選手権大会はトータル177キロで優勝しました。
ピークを過ぎても記録を戻しながら、挑戦を続けた素晴らしい選手です。彼女は、素直にウエイトリフティングが好きで沖縄が好きです。強い気持ちで「沖縄からの挑戦」を貫いた大城選手の活躍で、応援される環境ができたのだと思います。国体最後の試技は、比嘉先生や関係者へ感謝の気持ちが伝わるすてきな試技でした。世界で戦ってきた二人に感動を頂きました。
(平良真理、沖縄工業高校ウエイトリフティング部顧問)