<南風>3年後


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 今年もあっという間に終わろうとしている。年の初めにはまだまだ先だと思っていた人工知能を活用した実際の企業でのプロジェクトも、夏に1件、12月に入ってさらに2件動き出した。

 画像解析技術を使って、自社商品を自動的に分析するシステムや、過去データを元に相関のある因子を機械学習を用いて洗い出し、将来の需要を予測するというシステムだ。人工知能を企業システム内で活用する動きは来年はさらに加速するであろう。

 先日、日本の世界的な経済ランキングが、1人当たりに換算にすると非常に低いという記事を目にした。日本はGDP世界第3位の経済大国である、と思っていたものが、1人当たりは、主要先進国中最下位(世界第27位)、日本は輸出額世界第4位の輸出大国である、と思っていたものが1人当たり輸出額は世界第44位、というようなものである。

 日本のホワイトカラーの労働生産性の低さは、以前から指摘され続けてきた。これからは、事業の拡大と共に単に人を増やすのではなく、いかに1人当たりの生産性を上げていくか、が重要になっていくとあらためて感じる。実際、県内の経営者に話を聞くと、異口同音に「人が思うように採用できない」と言っている。

 すでに人口はピークを超え、減少が始まっている。2019年には世帯数もピークを迎え、人口・世帯共に減少する時代を迎える。オリンピックに向けた好景気も前年である19年でピークを迎える事が予測されている。3年後、どんな社会、世界になっているのだろう。

 愛する沖縄が、クラウドや人工知能といった新しい道具を存分に使いこなし、高い生産性を誇る企業が多く存在し、経済的にも豊かで、みんな幸せに暮らしている。そんなパラダイス沖縄を夢見ている。

(寺田克彦、テラ・ウェブクリエイト社長)