<南風>残された宿題


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 いよいよ最終回。執筆を通して人生を振り返り、たくさんの人に支えられてきたなぁと顔を思い出しながら感謝の気持ちが溢(あふ)れてくる。

 中には今は亡き人もいる。私が高校進学を目前に控えた3月、親愛なる一つ上の先輩が交通事故で亡くなった。以来「後悔する人生は送らない」と誓った。

 誰しも、守りたい人や暮らしがあるだろう。そしていつまでも元気で続いてほしいと願うだろう。それを妨げる障害の一つが「依存」だと思う。支え合いはいいが「依存」は自主性、向上心を妨げ、続かない。

 世替わりと戦後の壊滅的な状況から、先人の方々が今の豊かな沖縄を作ってきた。人もお金も情熱も結集し、尽力されたことだろう。その上で、まだ残された宿題が「依存する、される」からの脱却ではないだろうか。

 何からの依存か。例えば米軍基地の関連であろう。日本に、アメリカに、自然環境に、次世代に、そして職場で依存する・される状況がないだろうか。私から見ると「大切な人を守ること」と「依存を脱却した持続可能な暮らし」はイコールなのだ。

 主体は住民である。その最も身近なものが自治会であり、市町村運営も住民が選挙で参加している。アメリカ大統領選挙では、マニフェスト以上に情報戦が明暗を分けたのではないか。誰もが情報で遊び、共感し、差別、啓発ができる。

 地域住民が自ら持続可能な社会を向上させるとき、この情報化社会の中で判断する力が必要だ。幸い、身近な時事を県内新聞が密に取り上げている。大概、記事の現場が近い。自分で見て聞いて出会うことを習慣にしたいものだ。

 さてコラムは終了しますが活動は続く。当法人を応援したい方、運営する繁多川公民館に行ってみたい方、お待ちしています。にふぇーでーびたん。
(南信乃介、NPO法人1万人井戸端会議代表理事)