<南風>夏の高校野球開幕


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 6月23日、全国に先駆けて甲子園出場を懸けた高校球児の夏が始まった。沖縄県予選には過去最多の65校65チームが出場する。

 高校球児にとって「夢舞台」であり、あこがれの甲子園大会。私事ですが、4人の息子は小学校低学年から野球を始めた。常に甲子園出場をめざし練習に取り組んできた。幸運を引き寄せ、ラッキーも重なり、4人は甲子園出場を果たすことができた。

 私たちが小学生のころは、近所の空地で野球をして遊ぶのが常であった。そのころはバットは工事現場から拾ってきた棒切れ、ボールは表面がサッカー柄のゴムボール、ベースはベニヤ板やボロボロのタオルで代用した。5、6年生にもなると、本格的なチームに参加して他校チームとも試合を行っていた。

 その当時は今と違って、一家に1、2台の車があるわけではない。友達数人で待ち合わせて、バスに乗って少年野球の聖地・那覇市の与儀公園まで出掛けた。

 今の子どもたちの野球環境は格段に進化している。父母会の送迎から、用具用品の充実、練習内容、指導者など、どれ一つをとってもすごい変わりようだ。

 現在、多くのプロ球団が沖縄県内でキャンプしている。一流選手の練習などを目の当たりにする。また、県出身のプロ選手も多数活躍している。各ポジションでチームの柱として、勝利に貢献している。それも大きな刺激になっている。

 野球少年にとって「高校生になったら甲子園に出てプレーをしたい」という夢は同じようにあったことでしょう。見事に夢をかなえた野球少年たち、そして夢をかなうことができず、人目もはばからず泣きじゃくった数知れない野球少年たち(私もその一人)。

 彼らの夢舞台である「甲子園」は第100回大会迎える。今年も熱くなりそうだ。
(砂川正美、夢サポーター)