コラム「南風」 早食いは肥満の原因

 よく噛(か)んで食べることはとても大切。イスラエルの研究では、咀嚼(そしゃく)中のネズミの脳内に、ヒスタミンやレプチンといった神経伝達ホルモンが分泌されることがわかっています。

 これらのホルモンは満腹中枢を刺激し、食欲を抑える働きをします。ただし、作用するまでには少し時間が必要で、食べ始めてから20分程度かかります。これは、舌からの味覚や、胃が拡張して消化液が分泌される信号が脳に伝わるまでの時間。つまり、20分以内に食事を済ませる人は、脳が満腹を感じる前に食べすぎてしまうのです。
 早食いをして一時的に満腹になっても、すぐにおなかがすきます。急激に上がった血糖値を下げるためインスリンが大量分泌された結果、血糖値が下がりすぎる人もいます(反応性低血糖)。3時のおやつを毎日必ず食べる人は、このタイプかもしれません。
 時間をかけて食事するには、よく噛むことが一番。唾液の分泌が増え、食べ物本来のおいしさがわかるようになります。よく噛むうちにおいしさを感じられ、満腹感も得られる二重のメリットがあるのです。
 反対に、よく噛まないと満腹感を得られず、早食いを加速させます。結果、必要以上に食べすぎて太る悪循環が待っています。
 皆さんも今日から、食べ物を口に入れたら箸を置いて30回噛んでください。これが、「噛むだけダイエット」の秘訣(ひけつ)です。リズムよく噛むことで脳が活性化され、「ストレス解消ホルモン」も分泌されます。
 口内の味蕾(みらい)細胞(味を感じる部分)は乾燥に弱いため、唾液で潤っている必要があります。唾液には抗菌作用など、素晴らしい機能がいくつもあります。
 よく噛んで食べることは効果的な健康法ですから、ぜひ実行して習慣化してください。箸を置いて「噛むだけ」でいいのです。
(渡辺信幸(わたなべのぶゆき)、こくらクリニック院長)



関連するニュース







  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス



  • 会員制サービス






  • 他のサービス