コラム「南風」 沖縄の伝統食に戻りましょう


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 肥満や糖尿病の原因は糖質の食べすぎ。「肉・卵・チーズ」を主食として食べれば、糖質摂取を簡単に減らせます。ひと口30回、よく噛(か)むことも忘れずに。

 最終回の今回は、私の指導でダイエットに成功した方を数人ご紹介します。皆さん、ご自身の経験をメニューに取り入れた飲食店の経営者です。
 小浜尚仙さんは、84キロから14キロの減量に成功。奥さんも8キロ減、お兄さんも28キロ減らせました。ご家族一同で実証したノウハウを生かした糖質オフ中華料理を提供しています。
 池田勝也さんは、運動なし豚肉食べ放題で5キロの減量。ダイエット効果を確信し、琉球料理・会席料理に糖質オフメニューを取り入れています。もちろん、砂糖や米は使いません。
 上江洲安紀さんは肥満で体調に不安を抱えていました。そこで「肉・卵・チーズ」を実践したら、以前のような強い空腹感がなくなり、16キロ減量。驚くほど高かった中性脂肪値が1881から538と改善中で、血糖値や血圧も安定しました。店舗では、新メニューの豚しゃぶコースに糖質オフを取り入れています。
 こうして県内の飲食店が糖質オフ食を積極的に導入できるのは、ラードまで含めて豚を丸ごと食べる沖縄の伝統的な食習慣が糖質オフだったからでしょう。 それは世界的に見ても、「普通の食事」でした。ところが、近年の「食の本土化」で沖縄の食生活は世界でも稀(まれ)なほどの糖質過多に向かいました。これが「長寿崩壊・沖縄の危機」の大きな原因です。
 現在、この指導を受けられる医療機関は県内に2カ所のみ。ご希望の方は、こくらクリニックまたは中部徳洲会病院ダイエット外来までお問い合わせください(いずれも要予約)。
 肉・卵・チーズを30回よく噛んで食べること。健康の鍵はそこにあります。
(渡辺信幸、こくらクリニック院長)