コラム「南風」 思いをつなげる


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 2013年度全国高校総体が終了した。本校はウエートリフティング競技において、おかげさまで学校対抗戦で5年ぶりの優勝に恵まれた。

 全国大会の優勝旗は、実に格調高い。深緑の厚手の生地に、丹念に金の刺しゅうが織り込まれている。今年は、60回の記念大会であった。
 何よりも歴代の優勝校の名前が書き記された、幾重にも折り重なるリボンが美しい。その中で、最多優勝校は山梨県日川高校。5回の優勝だ。続く4回は、埼玉栄高校と本校の2校が並ぶ。最多優勝記録まであと一歩だ。
 ウエートリフティングは、個人戦だけではない。団体戦がある大会は、想像以上に華々しい。各3回しかチャレンジできない試技に、チームの思いが込められる。重力に逆らい持ち上げられる重たいバーベルに、皆の思いを声高らかにぶつける。それは決して重圧にはならない。むしろ、数グラム、いや数キロの重量を天に引き上げ、重いバーベルを軽くしてくれる。これまで、ドラマチックな展開をいくつも経験してきた。
 今年の団体優勝は、105キロ超級の知念光亮選手にかかっていた。先を行くのは開催地、長崎県諫早農業高校。最終日、知念選手のジャークで逆転した。
 今年は全国大会男女アベック優勝しようと、年頭の目標を掲げた。疑うことなく、必死に付いて来た部員たち。先に開催された全国女子大会は、惜しくも3点差の準優勝で涙をのんだ。その分男子に思いをつなげた。支えてくれた親兄弟、友と仲間。チーム沖縄の優勝だった。支えてくれた全ての方々に感謝したい。
 今年達成できなかった思いは、次年につなごう。そして来年こそは、二本の優勝旗を皆で囲み、声高らかに笑いたい。
(金城政博、豊見城高校ウエートリフティング監督)