コラム「南風」 母娘の絆


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 ウークイを無事に済ませ帰宅したら、重箱のおかずをツマミに夫と二人でお疲れさん会。正月ぶりに会えた親戚の近況や、新たに親族に加わった赤ちゃんの笑顔を思い出しながら「今年のお盆も良かったね~」を繰り返し、夜中まで話に花を咲かせます。

 これが、姑(しゅうとめ)を見送って以来続いている私たち長男夫婦の夏の恒例行事で、亡き家族の思い出話には、時に涙そうそうしながら今年の夏も、家族の絆が一段と強くなったなあ、と実感する大切な時間です。
 ところで、家族の絆といえば、夫婦、親子、兄妹姉妹に祖父母と孫まで、それぞれの絆が絶妙に絡まりあって、頑丈な強い結びつきになっていくと思うのですが、中でも私にとってこの夏は、親子、特に「母娘の絆」が強まったように思います。
 まあ、一人娘なので、日々の成長のそこかしこに、母と娘の強い絆を感じてはきたのですが、思春期のただなかにいて、中学2年ともなると勉強や部活も忙しくなります。親は親で、相も変わらず仕事に忙しいとなれば、ゆったりと心が寄り添う時間が限られ、「もしかしたら気持ちが十分に伝わっていないかも」と感じることが多くなってきていました。
 でも、この夏休みは二人の時間調整がスムーズに運び、ドライブやイベントに出掛けたり、共通の趣味である舞台・映画鑑賞を満喫するなど、お互いの気持ちが寄り添う瞬間を何度も感じることができたのです。
 来週には新学期が始まり、また慌ただしくなりますが、満タンにしておいた「ゆったり時間」でエコドライブしながら、母娘、そして家族の絆をしっかり結んでいきたいと思います。
 さて、夏休みを満喫し一つ気になることが。娘殿、課題や宿題ってちゃんと終わらせたんだよね?
(石底マキ ナレーター、パーソナリティー)