コラム「南風」 大人にも金銭教育


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 最近「過払い金返還請求」に関する県外法律事務所の広告が増えていますが、県内に借金で困っている人が多いことの表れだと思います。お金を借りれば返さなければいけません。さらに利息がつきます。そんなことは分かっているよと言うかもしれませんが、返せないほどの借金をして自己破産する人が後を絶ちませんし、夢のマイホームを手に入れたのに手放す人も多いのが現状です。

 それもこれもお金に関して勉強する機会がないことが大きな要因だと思います。皆さんは、「お金」について学んだことはありますか。学生時代に学校では教えてもらえませんでしたし、家庭の中でも「お金」について話題にしたことは記憶にありません。どちらかと言えばタブー視して避けてきた人がほとんどだと思います。
 テレビに流れる金融機関や生命保険のCM、新聞に折り込まれる「頭金無しでも即買えます」の不動産広告。お金に関わる情報があふれている中で正しい選択と判断は難しいものです。来年の4月には8%への消費税増税が決まりました。生活費の節約を始める人も多いと思いますが、この機会にお金の勉強を始めてみませんか。
 最近は、書店の店頭に株や投資商品の本が並び、金銭教育イコール投資というイメージも強いのですが、まずは家族で「お金」の話ができる環境をつくってみてください。お母さんが家計のやりくりの大変さを話すことでお金の大切さを学びますし、子供にとっては、それが一番の金銭教育になるはずです。
 「お金」の話をタブーにするのはそろそろやめませんか。ゆとりある生活を目指していくのなら、やはり「お金」に関する知識は重要になってきます。新聞やテレビ。意識をすれば知識を得る場所は身近にあるものです。
(慶田城裕(けだしろゆたか)、有限会社ライブアップ代表取締役)