コラム「南風」 理解と創造は驚きに始まる


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 子どもたちに日本の最先端のロボットと友達のように近い存在として感じてもらい、また夢を持ってもらうことを目的に「ロボトモ展」を開催しています。

 科学技術そのものと、人間の社会の中でどのような役目があり、産業を含めた優位性や意義、意味があるのか、また将来の沖縄をどのような形で進ませていくのか、多くの子どもたちが触れて考えるためのアプローチ、一つの試みだと思っています。
 人は、ロボットや動物などが自分の想定する以上の行動をする時に驚きます。人間同士であっても想定以上の行動には驚き、すごさを感じますよね。また人間の形をしたロボットは、子どもたちが親近感を持って触れ合いますし、大人も子どもと同じ顔でロボットに接し、ロボット対し拍手をし、笑い、興奮するのを見ると、ロボットは人類の夢に向かって進化し続け、子どもだけでなく大人にとっても楽しさ、驚き、すごさを感じてもらえる存在なのだとあらためて思いました。
 楽しみは好奇心を助長し、不思議は探究心を誘発します。学問は驚きから始まり、なぜ?という疑問から発展するといわれています。ロボトモ展はロボットを製作するスタッフの「チャレンジング・スピリッツ」のすごさにも触れることになります。世界に誇る日本の先端技術がロボットという形で表現され、それに対面することは、「未来の沖縄への移動社会空間を考える」モビリティーの創造につながるとも考えられます。このことは年齢、性別、場所、職業などを選ぶものではありません。あらゆる人が自分に当てはめ考え、行動することができます。
 1人でも多くの子どもたちが楽しんで、驚いて、興味を持ち、トライ&チャレンジを身に付け、未来の夢に向かって進化、進歩をしてもらいたいとロボット展を運営しながら思っています。
(高田勝、沖縄こどもの国専務理事・施設長)