コラム「南風」 やっぱり中部が好き


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 先日、私の生まれ育った茨城県つくば市に行き、墓参りをしてきました。秋晴れの雲一つない青空の下、稲が刈り取られた田んぼが広がる風景の中に大井家の墓がありました。その風景は、私の小中学校時代の通学路に広がっていた風景でもあります。

 その風景は、三十数年前とほとんど変わりがありませんでした。とても懐かしく、いろいろな思い出がよみがえってきました。と同時に、私の今の故郷は仕事場と住まいのある沖縄の中部なのだと、あらためて思いました。それほど、私は沖縄に馴染(なじ)んでいて、中部が好きなのです。
 私は一人っ子であり、私の両親はまだ健在です。沖縄の常識では、長男が両親を置いて別の地で骨を埋めるというのはありえないことかもしれません。でも、私の両親は、私が沖縄で地に足を着けて頑張っていくことを快く許してくれました。本当に「子孝行」な親だと感謝するとともに、「親不孝」な自分を反省するばかりです。
 沖縄とは縁もゆかりもなかった私を快く受け入れてくださったそよかぜ法律事務所の所長をはじめとした皆さん、中部の法律事務所や関係業種の皆さんにも感謝の気持ちでいっぱいです。
 また、「うちなーむーく」として私を温かく受け入れてくださった妻の両親をはじめとした親族の皆さんのお気持ちを本当にありがたく思っています。
 そして何よりも、くだらない冗談や愚痴などの他愛もない私の話をいつでも聞いてくれる妻には感謝してもしきれません(私担当の最後の回ですので、個人的なことを書いていることをどうかお許しください)。
 最後に、私が「中部が好き」な理由、その最も大きな理由をお話ししたいと思います。それは、中部が、愛する妻の生まれ育った場所だからです。
(大井琢、弁護士)