コラム「南風」 じゅん子の会


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 「じゅん子の会」と聞くと銀座のバーかクラブのママさんをイメージする人が多いだろう。だがそうではない。私は以前東京で弁護士をして15年ぐらい前に沖縄に帰郷した。この会は私の友人が沖縄の私に会ってゴルフを楽しもうと始まった。

その中心の永久会長が松本某君である。私が沖縄に帰った15年前頃から始まり、毎年度末の3月頃に20人前後で行われている。ある時、石垣島でのゴルフの前日に、水牛車で竹富島の観光をした。案内人のオジさんが三線で安里屋ユンタなどを唄っていた。水牛は唄に合わせ碁盤状のサンゴの石垣の間をうまーく右折左折を繰り返し見事出発点へ戻ってきた。同乗者一同その学習能力の見事さに驚嘆拍手した。その水牛の名が「じゅん子」さん。
 翌日白保の旧石垣島GCでゴルフをした。石垣在の私の友人石垣某君らも交流を深めるため参加してもらった。石垣君はゴルフがうまくシングルで、いいスコアだった。しかし、私や同組の松本会長は相変わらずのスコアだった。谷越えのホールでのことであった。そのホールで私が3回谷に落とし、松本君が2回谷に落とした時、石垣君が「弁護士は学習能力が高いと思っていたのに…」という趣旨の発言をした。同じ組の弁護士は皆愕然(がくぜん)とした。ちょうどその時東京方面行の飛行機が上空を飛んでいった。松本君がポツリとつぶやいた。「飛行機で東京へ帰りたい」と。皆で大爆笑となった。しかし、笑い話で終わらすわけにもいかないということで話し合った末、水牛のじゅん子の学習能力を目指すべくそれ以来、わがゴルフ同好会は「じゅん子の会」となり松本君は永久会長となった。じゅん子の会は、関東、九州・宮崎のフェニックスなどやグアムへツアーをし、今年はタイ・ゴルフツアーを企画している。今から楽しみである。
(宮城和博、弁護士)