コラム「南風」 韓国から見た沖縄


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 ヨロブンアニュハセヨ(皆さんこんにちは)。
 去年、沖縄食材を探している韓国のお客さまをご紹介いただきました。居酒屋で歓談したところ、お互いが同じ価値観を持っていることに気付きすぐ仲良くなりました。「次回は韓国でお会いしましょう」とほろ酔いで別れ、今月初めにその約束を果たすことになりました。観光での訪韓はありましたが、ビジネスでは初めてです。

 マッコリや、大好きな激辛料理に舌鼓を打ち、汗をかきつつ日本・沖縄・韓国についてさまざまな話をしました。昨今の政治情勢などもあり、私にとっては近くて遠い国というイメージでしたが、韓国の知人ができたおかげで、お互いに知らなかったことが見えたり、文化の違いを考えたりするようになりました。
 例えば、「なぜ日本人は箸を横に置くのか?」と彼は不思議そうに尋ねてきました。中国・韓国は箸を縦に置くらしく、横に置くのはアジアの中では日本だけだそうです。逆に、私がソウルに行って違和感を覚えたのは、(傷が付くのが嫌なのか)ドアに青いスポンジを付けて走る車が多いことや、背広やコートのタグを付けたままの人がいることです。どうやら高額なものには貼っていたタグをそのままにする傾向があるようです。文化に正しいとか誤っているなどはないのですが、礼儀、マナーの違い、第三者から見ると滑稽に映る慣習があるのだなと気付かされました。
 現在、歴史認識や外交上の問題などで日韓関係は良いとは言えません。しかし、かつて琉球王国の大交易時代において沖縄の先人たちは、積極的に海外と取引を行ってきました。沖縄の食文化を海外にも発信するためにも、今こそ古人の知恵に学び、アジアの国々と深く付き合って仲良くなり、楽しいビジネスができればよいなと思っています。
(佐久間健治、三倉食品代表取締役社長)