コラム「南風」 琉球キングス


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 琉球ゴールデンキングスは、TKbjリーグのプロバスケットチームである。琉球キングスの木村達郎社長とのご縁でサポートしている。指定席を二つ年間予約してよく夫婦で見に行く。キングスの試合を見るようになってキングスのことで話が弾み、口喧嘩(げんか)の数が少なくなったかもしれない。キングスを応援するようになって娘・息子と親のコミュニケーションがうまくいき、家族が円満になったというファンが多い。

 キングスは米国のプロバスケに範を取り、ショーに徹している。会場はまるでカーニバル(お祭り騒ぎ)のようだ。コートではカクテルライトが輝き、派手な横断幕やマイク音声、音楽が大音響で鳴り響いている。そんな中ファンは飲食しながら体全体を使って大声で応援する。一種のストレス解消でもあろう。
 地元ファンのため沖縄出身の選手を必ず数名契約している。沖縄のファンは沖縄の選手が出ると大拍手で迎えて熱狂する。木村社長に、なぜプロバスケを沖縄でやろうと思ったのか尋ねたところ、沖縄の甲子園出場校の応援が試合時間中は人も車も通らなくなるくらい熱狂的なので、バスケでもとのことを聞いたことがある。確かにキングスファンは情熱的でアウェーでも大挙応援に行く。昨年は夫婦と娘とで東京の有明の東西決戦に応援に行き、おかげで見事勝って日本一に輝いたのであった。
 ただ、2014年11月、統合問題をめぐり国際バスケットボール連盟(FIBA)は日本代表の男女とも国際試合を禁止した。16年のリオ五輪予選までに処分を解くには15年6月までに統合の道筋をつける必要がある。FIBAが設けた特別対策チームの川淵チェアマンの舵(かじ)取りに期待したい。そして、日本のバスケ男女が20年の東京オリンピックで大活躍する姿をぜひ見たいものである。
(宮城和博、弁護士)