コラム「南風」 ドイツぶらり旅


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 大好きなぶらり旅の話を少し…。数年前のちょうど今の時期、夫と二人、気ままにドイツに出掛けました。レンタカーで2週間の旅。初日の宿だけインターネットで予約し、後の行き先はあえて決めずに出発。

“なんちゃってドイツ語”なのに、不安より期待の方が勝った、気まますぎる旅。フランクフルトから出発し、南ドイツを中心に時計回りにぐるっと北上していきました。
 私は田舎が好きなのであえて田舎を目指して歩きます。旧市街は歴史を感じさせ、どこを見ても絵になる木組みの家や町並みの風景。気に入ったらその町に滞在し、逆に観光客が多過ぎれば早めに後にします。ですから、ガイドブックに載っていない町に滞在するというパターンがほとんど。宿も良さそうなところを五感を使って探し出し、ここで良し!と思ったら宿泊します。
 宿が決まれば散歩しながらレストラン探し。夕食時が近づくと夫婦で鼻を利かせ、地元のお客さんがいっぱいのお店を探し、美味(おい)しい食事と飲み物を楽しみます。美味しい飲み物といえば、そう!白ワイン。好みのトロッケン(辛口)やハルプトロッケン(中辛口)。またドイツといえばビール!燻製(くんせい)ビールや黒ビールを堪能しました。行く先々で頂く地ワインと地ビールは、今思い出しても生唾ゴックンです。
 そして、忘れてはいません、私はヴィオラ奏者。その町で劇場やホールの有無を調べ、オペラやコンサートを楽しみました。ほとんどの町にホールや劇場があって、演目がある。当たり前のことですが、ドイツ人にとってクラッシック音楽が身近にあることを実感しました。おじいちゃん、おばあちゃんに連れられて、正装したワクワク顔のお孫ちゃんたちも多く見られたことも、印象的でした。
 また行きたくなってきました、ドイツぶらり旅。
(新垣伊津子、ヴィオラ奏者)