コラム「南風」 大志を抱け


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 周りの経営者に比べると私の経営能力は劣っている、とよく反省します。だからこそ常に気をつけていることが三つあります。

 一つ目は「相手の考え方や、大事にしていることを理解する」。人はそれぞれ価値観や信念が異なります。初対面の方とは、現在の仕事やそれまでの人生で何に悩み、何に価値をおいてきたのかを考慮して話を聞き、自分のことを語る前に、相手を理解しようと努めています。
 二つ目は「うまくいかないこと、悩みなどの諸問題の原因を外部のせいにしない。トラブルは自分で解決する」。会社で起こるさまざまな問題は、最終的には自分の責任になります。だから、何事も原因は自分にあると考えるようにしています。以前は、経営状況や人間関係はそれぞれに問題があると言い逃れてきましたが、それでは状況は悪くなるだけ。前向きに行動することで、環境は好転していくと気づきました。
 三つ目は「自分の利よりも、相手の利を優先に考える」。自分の売り上げばかりを考えている営業マンと、取引先の立場になって考えてくれる営業マンはすぐに分かります。もちろん企業は業績を伸ばさねばなりませんが、己の利益ばかりを追求しても会社は長続きしないと考えています。
 これらは間違いだらけの経営哲学かもしれませんが、今後も自分自身が成長し会社も発展させつつ、皆さまから必要とされる企業を目指して励んでいきたいと思います。
 今回の執筆で、見知らぬ方からも多くの感想を頂き、共感できる方々とも巡り合いました。感謝に尽きます。
 「少年よ、大志を抱け!」(クラーク博士)。大きな志をもつことで、人は理想を現実にできると信じています。私の好きなこの言葉を最後に、コラムを終えます。ありがとうございました。
(佐久間健治、三倉食品代表取締役社長)