コラム「南風」 菜食で好転する


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 島野菜料理とオーガニックワインの店「浮島ガーデン」は、夫と私、9人のスタッフと共に運営している。県産の無農薬有機野菜で料理しているため、大きな台風が来るとただでさえ貴重な有機野菜がほとんどなくなってしまい、野草に頼るなんてこともオープン当初はあった。

それが4年たった今ではありがたいことに、離島も含めたくさんの農家さんから野菜と穀物を分けていただけるようになり、おかげで台風が来ても野菜不足に悩むことなく営業できるようになった。
 契約している農家さんはどの方も世のため人のため、環境に負荷をかけない栽培をしている。肥料も入れず水もかけず、地の力と天水だけで自然栽培している方、無農薬で30年お米を作っている方、20年以上、種を自家採取している方など、間違いなく沖縄屈指の農家さんばかりである。
 そもそも北九州生まれ東京育ちの私がなぜ沖縄へ移住し、島野菜料理の店を始めるに至ったのか、そのきっかけは20年以上前にさかのぼる。当時、大学生だった私は沖縄に惹(ひ)かれ、独りで何度も旅していた。そしてある時、私の魂は叫んだ。「私はうちなんちゅなのに何でやまとんちゅに生まれたの!」。あれから20年。沖縄への片思いは浮島ガーデンという、想像をはるかに超える形で実った。
 信じ難い話かもしれないが、食生活を菜食に変えると人生は良くなるようなのだ。実際、直観力が冴(さ)え願いが叶(かな)うスピードが速くなり、運気が上がった。江戸時代の観相学者・水野南北も言っている。「食は運命を左右する」と。
 私の沖縄愛は浮島ガーデンを与えられたことで、自然環境を良くしたい、社会貢献したいという想いへ高まった。
 これから半年、食と農、体と環境のことなど、さまざまにお伝えしてゆきたい。
(中曽根直子、風土コーディネーター)