コラム「南風」 気がつけば天職


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 小中高校と放送委員会や放送部に所属していました。夢がかなってよかったねと言われますが、私の夢は「教師」になることでした。

 放送機械を巧みに扱う先輩の姿に憧れ放送委員になったものの、「校内放送の人手が足りない」ということでアナウンスをすることに。高校の放送部も、たまたま担任の先生が国語の先生で、かつ放送部の顧問。それでもって出席番号が1番だったものだから、国語の本読みを真っ先に当てられてスカウト(?)されたのです。しかも「あなたならすぐに賞をとって全国大会よ」と口説かれ、「大好きな飛行機に乗れるなら」と思い入部。その先生の指導のおかげで、高3の時には全国大会のコンテストで4位になりました。
 でも、夢は教師。放送部の指導者を目指していました。だから進学も教育学部に。教師になるために全てを捧げた4年間でした。その甲斐あって卒業後、私立の通信制高校で教員デビューしたのですが、訳あって夏休みに入る前に退職。また教員採用試験を受けなくっちゃ、という時に偶然目にしたのがFM沖縄の求人広告でした。教育実習や採用試験対策で「就活」の経験がなかった私。経験してみようと受けたところ、まさかの内定。「学校の先生はまだチャンスがあるし、まずは5年勤めてみよう」と入社したつもりでした。
 それが気がつけば今年で12年です。今ではこの仕事に就いて、本当によかったと思っています。日々の取材を通していろいろな人や事柄に直に触れることで、気づきや学びがある。それを放送にのせ共感してくれる人とシェアできる幸せ。こんな素敵な仕事はないと思うのです。気がつけば天職にたどりついていたようです。
 日々の取材や生活の中で感じた気づきや学びを、このコラムでシェアできればと思っています。
(大城勝太、エフエム沖縄アナウンサー)