コラム「南風」 東京沖縄県人会が目指すもの


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 去る5月17日に開かれた東京沖縄県人会第57回定期総会において、本年度の活動方針5項目が承認されました。その中でも私が特に重点的に取り組みたいことが三つあります。まず1点目は、東京沖縄県人会の財政基盤を確立するために「会員増強アクションプラン400」を達成することです。

当県人会の全盛時代には会員が千人近く在籍したこともありましたが、高齢化と2世3世の入会が進まず、近年は逓減傾向にあります。その流れを変えるための施策として会員増強アクションプランを2年前に実施し、新規会員が82人増えて現在は350人です。その勢いをさらに加速させて今期は会員数400人を目指したいと思います。
 2点目は、10月3日に開催する「全国沖縄県人会交流会」を成功へ導き、沖縄関係他団体との連携や交流を活発にすることです。第1回「全国沖縄県人会交流会」は、1996年10月東京大会を皮切りに、現在は隔年で関東・中部・関西地区の持ち回りで開催し、今回で13回目を迎えます。
 3点目は、「沖縄芸能フェスティバル2015」を東京琉球舞踊協会・琉球民謡協会の皆さんや沖縄出身ミュージシャンの協力を得て、新しい企画も取り入れ、12月26日に板橋区立文化会館大ホールで開催することです。
 さて、定期総会は議案が全て承認され滞りなく終了するかと思いきや、緊急動議が出されました。発議者は対馬丸生存者の一人で、「辺野古新基地建設に反対する決議」を求めるものでした。総会の場は一瞬緊張感が漂い、意見が噴出し、その場では収拾がつかず執行部が理事会で協議することで収めました。東京沖縄県人会の会則で「沖縄県の軍事基地の縮小撤去を含む平和推進に関する事業」が謳(うた)われています。沖縄県民の民意も考慮し、動議を真摯(しんし)に受け止めました。
(仲松健雄、東京沖縄県人会会長)