コラム「南風」 沖縄で五輪空手を


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 東京沖縄県人会は今期活動方針の重点項目に、空手道の2020年東京オリンピック正式種目化と、沖縄開催の要請をかかげています。空手の母国日本、そして空手の発祥地である沖縄を世界にアピールしようという狙いです。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会は、開催地が提案できる追加種目の検討会議を6月に行い、第一次選考結果を発表しました。応募のあった26競技団体から8団体に絞り込まれ、有力候補とみられる野球、ソフトボール、空手のほかにスカッシュ、ボウリング、ローラースポーツなどが最終選考に残りました。空手は有力候補とみられているため追加種目に残る可能性は高いように思いますが、最終的には2016年8月のIOC総会で正式に決まるようです。
 空手は一般的には、沖縄固有の拳法に中国武術が加味されて発展してきたと考えられ、大正時代に沖縄県から他の道府県に伝えられて世界に広まり、現在では護身術・スポーツ・精神修養の手段として親しまれています。世界で数千万人いると言われる空手愛好者たちは、空手発祥の地である沖縄に毎年数多く訪れ、原点回帰ともいえる「沖縄空手」に注目が集まっています。
 東京沖縄県人会は、「空手道」が東京オリンピックの正式種目に採用され、さらに沖縄開催が実現するように、関係団体との連携を模索していきたいと考えています。
 そして沖縄開催が実現した場合には、観光産業や旅行業界、ひいては沖縄県全域への経済効果が見込まれます。言うまでもなく、競技施設や選手宿泊施設のほか、那覇空港第二滑走路の増設など、受け入れ体制の整備が重要になります。
 沖縄県が主導して空手道の沖縄開催が実現するように、取り組んでいただきたいと思います。
(仲松健雄、東京沖縄県人会会長)