コラム「南風」 人生のエンジン


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 CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)、またはキャリアカウンセラーという職業をご存じですか。仕事や日常生活を通して得られる「経験からの学び」を支援し、個人にとって望ましいキャリアの選択・開発を支援する専門家、とされています。

 私は人材派遣、人材紹介というビジネスを通して、1万人前後の皆さんの就職相談・職業斡旋(あっせん)に携わってきたものの、常々「専門性を身につけたい」と思っていました。そんな時に、厚労省認定資格でもあるCDAを知って、チャレンジすることにしたのです。それが3年前のこと。
 無事資格取得はできましたが、久しぶりの試験勉強は大変でした。
 まず、心理学を含む曖昧模糊(もこ)としたカウンセリング用語満載のテキスト6冊を読み込まなければならないこと、土日の終日、計10日間の養成講座の受講、そして当時、下の子がまだ3歳だったこと-。案の定、1次試験の1回目は不合格。2回目で何とかパスし、2次試験は福岡へ。2次のロールプレイは練習のかいあって1回で合格。その知らせを受けた時は、共に学んできた友人Tさんと飛び上がって喜んだことが、昨日のことのようです。
 さて、キャリア理論は数多くありますが、私が好きな理論の一つ、「プランド・ハプンスタンス・セオリー」を紹介しましょう。提唱者のクルンボルツ博士が、成功したビジネスマンを調査した結果、その成功を「計画通り」と答えた人は20%。残り80%を占めたのが、「予期せぬチャンスや人との出会い」だったそうです。その“偶然”のチャンスをものにする人には、五つの特徴が備わっているとのこと。それは「楽観的」「冒険心」「持続性」「柔軟性」「好奇心」。ビジネスのみならず、人生訓として私の心に響きました。
(名嘉村裕子、りゅうせきビジネスサービス代表取締役社長)