コラム「南風」 米国に広がる肉抜き給食

 先日、アメリカのボルチモアで開かれたナチュラル・プロダクツ・エキスポへ行った。最先端の自然食品、環境に優しい商品が一堂に集まる世界最大級の展示会とあって、会場は各国からのバイヤーであふれていた。

 今、自然食品は遺伝子組み換え(GMO)作物不使用であるのはもちろん、小麦を使わないグルテンフリー、さらには大豆フリー、ナッツフリーなどが主流になっている。
 こういった基準は海外が特別高いのかと思いきや、日本が甘いのだと知った。展示会には日本のあるお菓子メーカーも出店していて、聞けば彼らがアメリカで展開する商品にはGMOも化学調味料も使用していないという。これらを使っていると、米国ではごく普通の小売店さえも取り扱ってくれないのだそうだ。驚いた。本国日本の商品にはGMOも化学調味料も使っているというのに。これは言い換えればつまり、私たちが何を選ぶか、何を食べるかで社会は変わるということだ。
 もうひとつこの展示会で目についたのが、肉はもちろん卵・乳製品に至るまで動物性を一切使わないビーガン食品の多さだった。展示会に合わせるようにして近くの大学で開かれていたビーガンのイベントに行ってみると、集まっていたのはほとんど黒人だった。大抵の場合、菜食者は裕福な白人が多い。調べてみると、子供の肥満を問題視した大統領夫人ミシェル・オバマのサポートにより、ボルチモアでは2009年に全米でいち早く肉抜きの学校給食を導入し、菜食は今や当たり前になっているようなのだ。そしてこの肉抜き給食は、この数年で全米に広がっているようだ。
 沖縄では糖尿病予備軍の子供たちが増えている。本当の食改革をする時だ。食は社会全体を変える力があると、ボルチモアは教えてくれた。
(中曽根直子、風土コーディネーター)



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