静岡県は3日、着工を認めていないリニア中央新幹線静岡工区を巡り、環境対策を検討する専門部会を開いた。JR東海がトンネル掘削に伴う残土置き場の整備などについて説明したが、県は再検討を求め、議論は平行線をたどった。
トンネル工事で発生する土約370万立方mのうち約360万立方mを大井川上流の燕沢(静岡市)で処理する計画だが、県は「(岩盤から崩れる)深層崩壊が起こる恐れがある」などと懸念している。
JR東海は深層崩壊などの発生を想定したシミュレーション結果を示し、登山者が滞在する下流側への影響について「発生土置き場がある場合とない場合で、生じる影響にほぼ違いがない」と説明した。