気象庁の異常気象分析検討会は28日、会合を開き、7月後半以降の記録的な猛暑や梅雨期の大雨の特徴と原因について議論した。中村尚会長は記者会見で、今夏の猛暑について「今年の暑さは歴代と比較して圧倒的に高い。夏全体で見ても異常だった」との見解を示した。気象庁は今夏の日本の平均気温が1898年の統計開始以降で最高となる見込みも明らかにした。
気象庁によると、7月は勢力の強い太平洋高気圧に覆われ、平均気温が平年を示す基準値(1991年~2020年の平均)を1・91度上回り、1898年の統計開始以降で最高を記録した。
7月は、最高気温が35度以上の猛暑日の観測地点数が、全国で梅雨明けが発表された翌日の26日から5日連続で200地点を超えた。8月になっても厳しい暑さは続き、5日に福島県伊達市、10日に石川県小松市で今年全国最高の40・0度を観測した。
北陸などでは、山を越えて熱風が吹き下ろす「フェーン現象」の影響で猛暑が続いた一方、雨が降らず、農業被害が出ている。